IQ49

IT業界の感想

娯楽界隈に立ちふさがる時間の奪い合いというハードル

20年前と今を比較して娯楽(コンテンツ)に対してのビジネスモデルがだいぶ移り変わってるんじゃないですかねえという話。
なんで20年前と今を比較するのかというと、今はインターネットがあって娯楽へのアクセスがとにかく簡単になったから。娯楽が多様化し、しかも低価格で手軽に入手できるようになっている。

最近は「娯楽時間の奪い合い」という表現をよく耳にするようになった。 この言葉は新聞、テレビ、雑誌、音楽といった既存の業界の売上減少とともに語られることが多い。インターネットの発展に伴い、娯楽が多様化した結果割をくらっているのだと。

ここで疑問となるのが、20年前は「娯楽時間を奪い合う」という状態が存在していなかったのではないかということだ。
主観になるが20年前はとにかく暇だった。新聞は興味ない記事は飛ばすにしても一通り読んだし、本も何回も読み直していた。ゴールデンタイムとなるとかかさずテレビを見ていた。 しかし今となっては娯楽が多すぎて暇と感じる時間が減った。むしろ色々やりたいのに足りないくらいだ。

思い返してみれば20年前は「(大衆の)金銭を奪い合う」ことしかせずにすんでいたのだ。もちろん今でも金銭の奪い合いは行われている。しかし、その前に「時間の奪い合い」に勝ち残らなくては金銭を奪い合いというフェーズに参加すらできないのだ。売上を落している企業も決してコンテンツに魅力がなくなったわけではなく、旧来の方法が「時間の奪い合い」という要素に対して戦略的に間違った方法を取っているのでないかと思う時がある。

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どのようなコンテンツが時間の奪い合いに勝利しているかというのは結果を見れば一目瞭然だ。 例えばYouTubeのような"無料"で"手軽"にアクセスできるコンテンツが圧倒的に強い。

既存業界の衰退に対して「消費者がクリエイターを尊重し適切な対価を支払うことが打開策」のようなものを目にすることがあるがちょっと違うと思う。クリエイターへの報酬の大小で勝負できたのは旧来の「金銭奪い合い」空間の中であり、おそらく根本的な解決策とならないからだ。もっともピュアオーディオ界のように今いる顧客から最大限搾り取るという戦略もあるのかもしれない。

まあでもテレビってまだまだ強いよねピークは過ぎた感はあるが。