ブラックIT企業の末路
もうすでに崩壊した
よく聞く武勇伝で「バイト全員で結託して一斉に辞めました、もうこれであの店は終わりです。」みたいなのがあるけど、じゃあ実際に戦力が全員やめた企業はどうなるのか、そんな話。
体感としてはメルヘン・メドヘン(アニメ)を8話から見始め、今見たのが10話だったという状態に近い。
現在の年齢分布はというと、40~50がメイン層、25~35歳の先輩社員がいない、新人はたくさんいるという砂時計構造。本来もっとも活躍する層がいないというツラミ。
崩壊までの道のり
ある日突然、社員全員が裁量労働制になる。
裁量労働手当(残業20時間分)がもらえる代わりにいくら残業をしても残業代が出なくなる。実際は残業時間平均60くらい。今までは残業代が貰えるから仕事してたようなものなので社員全員のモチベーションが一気に低下。そもそも基本給も低く裁量労働手当を含んだ総額も低い。
優秀な社員から辞めていく。残ったのは仕事ができない社員のみ(俺含む)。若手はほとんどやめる。たぶん若手は結託して辞めたんでしょうね(俺以外)。
同年入社のやつら全員辞めたわつれーわ。
長老たちは俺たちは素晴らしいマネジメントをしていると主張。若手の給料を抑え、いかに自分がうまい汁を吸えるかどうかだけを気にするようになる。
長老「家のローンもあるし、息子の教育費もある、俺らは当然多く貰う権利がある。若者、知らねえ?俺らは今まで苦労してきたんだ!」
平均年齢高すぎ問題
- 若手を大量採用するも教育できる人がいない。高年齢は若者に対してコミュ障。
- 新人レクリエーションは登山。もちろん新人は強制参加。
- 新技術はとりあえず否決。「費用対効果を示せ!」「小学生にもわかるように説明しろ!」
- 自分ルールを振りかざしボトルネックを生み出す。「俺のエクセルシートならもっと短時間でコピペできるんだよ」
- 「VB(COBOL)しか分からないよ」
安い人材麻薬
- 今まで安くでいい人材を使えていたという成功体験が染み付いており、高くていい人材を使うということができない。
- 優秀な人に高報酬を用意するという発想がない。
- 新卒を安くで採用する、もしくはオフショアを利用するといったように、1作業者辺りの報酬を安くすることに腐心する。
- 今後人手不足で安くていい人材が招集できなくなるという可能性を考えていない。
地力の消失
- 優秀な社員はやめてしまったので、優秀かどうかを評価できる人がいない。
- 評価は労働時間のみ。長時間労働してる俺すごい → 長時間労働する社員すごい。
- 新人が書いたコードや、外注が書いたコードをろくに検証しないまま平気でリリースするようになる。検証ができないのはコード読まない、テスト設計考えない人が増え、人手の割にシステムの本質的なことを分かる人間がいないから。
- 顧客「高くて遅い」「もう新規で仕事任せられない」
結局どうなったか
- 仕事がなくなった。
- 新入社員の質が落ちた。そもそも会社全体の質が落ちた。
- マネジャー層が増えた。下請け会社に丸投げが増えた。
- 会社の方針が「上流へとシフト」の連呼。
ブラックITが企業は崩壊した、でもまだ人は生きている。