IQ49

IT業界の感想

CTO不在のシステム開発

はじめに

「会社としてCTOが存在しない」ということはCTOが存在しないことによる直接的な問題もそうだが、CTOが生まれない風土という根本的な問題も抱えており、その両方が技術者にとって住みづらい空間を生み出すのであろう。

技術が評価されない

  • 技術者が出した成果に対して、技術的な面での評価を出せる人がいない。そのため技術者がどのようなものを作ったかではなく、表面上は見栄えがいい報告、労働時間の多さといったものが評価されるようになる。そのため評価制度がほとんど機能しない。

  • 毎朝のラジオ体操を行えばプログラマの生産性が上がると思っている。(非技術的な命令で効率を向上させようとする。)

  • 部下の数が多い社員の意見が正として扱われる。技術的な正しさが追求されない。

  • マネージャーがプログラマの上位版と思われており、30過ぎてプログラマやってると「まだプログラマやってるの?」と嘲笑される。

  • 技術採用を行うも応募者のプログラミングスキルを面接者が理解できない。面接担当「プログラミングなんて誰でもできる。業務知識のほうが大切なんだよ。」

技術をルールやマニュアルで管理しようとする

  • 問題が発生しても技術的な面からの分析が行えない。そのため対策が対策の体をなしていない。

  • バグが見つかるたびに、公式サイトのQAをコピペしてきたような無駄に長い説明が手順書に追加される。誰も全容を理解できないマニュアルが出来上がる。

  • EXCELにあらかじめプログラミングする内容を書いておき、その内容が非技術者のレビューを通過することで品質を担保しようとする。なお出荷予定のソースコードは書いた人しか読んでいない。

非効率な開発手法が使われ続ける

  • 技術に関するものの決済、承認を非技術者が行うため、開発ツールの買い替えが行われない。買い替えには非技術者へ効果を示すための膨大な手間が必要。
    • CIツールはサーバを立てる経費がもったいないので使用不可。
  • 外部サービスは危険なので使用禁止。

  • 合言葉は「今までと同じやり方でコストダウン」。新しいやり方はリスクがあるので禁止。いかに今までと同じやり方で仕事をするかが重視される。

  • フリーソフトは可能な限り使用禁止。VimEmacsは使用禁止。サクラエディタは可。

技術屋が逃げる

社外勉強会等で勉強しても勉強したツールが使えない、覚えたことが役に立たない、仮に勉強の成果を発揮できたとしても評価されない。そのような状況に直面した場合、技術屋はさっさと会社を辞めて評価してくれるところに行ったほうが幸せになれるだろう。